「あれもこれも」と自分を責める癖を手放す:終わらないTODOリストに追われる心を軽くするヒント
終わらないTODOリストに追われ、自分を責めていませんか?
日々の生活の中で、「あれもこれもやらなきゃ」とたくさんのタスクを抱え込み、リストアップしてみるものの、結局すべてを終えることができずに一日が終わってしまう。そんな経験は、多くの方がされているのではないでしょうか。
やろうと思っていたことが終わらないとき、「今日の私はダメだ」「もっと効率的に動かないと」「みんなはできているのに、なぜ自分だけ」と、つい自分を責めてしまうことがあります。特に、家事、育児、仕事など、様々な役割を担っている方にとっては、終わりなきタスクの波に飲み込まれ、自分を責める気持ちが膨らんでしまいがちです。
自分を責めることは、心を重くし、自信を失わせ、さらに行動するエネルギーを奪ってしまいます。しかし、自分を責める癖は手放すことができます。そして、TODOリストに追われる毎日でも、心穏やかに過ごす方法を見つけることは可能です。
この記事では、なぜ私たちは終わらないTODOリストを見て自分を責めてしまうのか、そして、その癖を手放し、心軽やかに日々を送るための具体的なヒントをご紹介します。
なぜ、終わらないTODOリストで自分を責めてしまうのか
私たちは、なぜTODOリストが完了しないことを、そこまで厳しく受け止めてしまうのでしょうか。考えられるいくつかの理由があります。
1. 完璧主義の傾向
「やるべきことは全て完璧にこなさなければならない」という強い思い込みがあると、一つでもタスクが残ると「できていない」と強く感じ、自分を責めてしまいます。しかし、日々の生活は予期せぬことの連続であり、計画通りに進まないことの方が自然です。
2. 非現実的な期待値
リストに書き出すタスクの量が、物理的に可能な量を超えている場合です。限られた時間の中でこなせる量には限界があるにもかかわらず、それ以上のタスクを詰め込んでしまうことで、「できなかった」という結果を生み出しやすくなります。
3. 休息や自分時間の軽視
TODOリストといえば「やるべきこと」が中心になりがちで、休息やリフレッシュのための「やらない時間」や「自分のための時間」が考慮されていないことがあります。十分な休息がないと、心身のエネルギーは枯渇し、計画通りに進めるのが難しくなります。それなのに、「休んでいる暇はない」と自分を追い詰めてしまうのです。
4. 「ちゃんとしなければ」というプレッシャー
社会的な役割や周囲からの期待を感じ、「母親として」「妻として」「働く人として」ちゃんとしなければならないというプレッシャーから、完璧を求め、達成できない自分を責めてしまうことがあります。
終わらないTODOリストを見て自分を責める癖を手放すヒント
自分を責める癖を手放すためには、TODOリストとの向き合い方や、自分自身の心持ちを変えていくことが大切です。ここでは、すぐにでも試せる具体的なステップをご紹介します。
ヒント1:リストを「理想」ではなく「選択肢」として捉え直す
TODOリストは、全てをこなさなければならない「ノルマ」ではなく、「今日、これらのタスクの中から何を選んで取り組むか」という「選択肢のリスト」だと考えてみましょう。
- 全てをこなす必要はないと心得る: リストアップしたタスクは、あくまで「やりたいこと」「やれたら良いこと」の候補です。
- 優先順位をつける練習: リストの中から、今日「これだけはやる」という最優先タスクを1〜3つ程度選びます。それ以外は「できたらラッキー」くらいの気持ちで臨みます。
ヒント2:リストの量を現実的に調整する
自分が1日に使える時間やエネルギーには限りがあります。リストを作成する際に、物理的に可能な量であるかを意識することが重要です。
- タスクにかかる時間を具体的に見積もる: 「夕食作り」なら〇分、「洗濯物を畳む」なら〇分など、具体的な時間を見積もってみましょう。合計時間が1日の自由時間や作業時間を大幅に超えていないか確認します。
- 「やらないことリスト」も作る: あえて「今日はこれをやらない」「これは明日以降に回す」と決めるリストを作るのも有効です。
ヒント3:完璧でなくても「できたこと」に目を向ける
終わらなかったタスクではなく、完了したタスクや、取り組んだプロセスに意識を向ける練習をしましょう。
- 「完了」の定義を緩める: 例えば、「部屋全体をピカピカにする」ではなく、「リビングのテーブルの上を片付ける」など、タスクを小さく区切ります。小さくても「できた」を積み重ねることで、達成感を得やすくなります。
- 「できたことリスト」を作る: 寝る前に、今日「できたこと」を3つ書き出してみましょう。TODOリストに載せていなかったこと(例:子供の話をじっくり聞けた、美味しいコーヒーを淹れて飲んだ)でも構いません。
ヒント4:意識的に休憩や自分時間をスケジュールに入れる
TODOリストの中に、「休憩 15分」「好きな音楽を聴く 30分」など、意図的に自分を労わる時間を組み込みます。
- 休憩は「サボり」ではない: 休憩は、その後の生産性を高めるために必要な時間です。自分を責めることなく、堂々と休憩を取りましょう。
- 自分を満たす時間を作る: 読書、散歩、趣味など、自分が心から楽しめる時間を意識的に作り、TODOリストの合間に挟むことで、心のゆとりが生まれます。
ヒント5:自分にかける言葉を変える
「ダメだ」「どうしてできないんだろう」といった自分を責める言葉に気づいたら、意識的に優しい言葉に言い換えてみましょう。
- 「大丈夫」「よく頑張ったね」: 終わらなかったタスクがあっても、「今日はここまでできた、大丈夫」「忙しい中でよく頑張ったね」と自分に肯定的な言葉をかけてみましょう。
- 他人と比べない: 他人が完璧に見えても、見えないところで struggle しているかもしれません。比べる対象は、過去の自分自身です。
自己肯定感を育みながら、心地よく過ごすために
終わらないTODOリストと自分を責める癖は、自己肯定感を少しずつ削り取ってしまいます。自己肯定感を育むためには、日常の小さなことから自分を大切に扱う練習が必要です。
完璧な日なんて、そうそうありません。多少計画通りに進まなくても、それはあなたの価値を下げるものではありません。「できなかったこと」よりも「できたこと」に目を向け、自分に優しく、そして根気強く向き合っていくことが大切です。
小さな一歩から始めてみましょう。今日から、TODOリストの最優先タスクを一つだけ決めてみる、寝る前に「できたことリスト」を書いてみる、5分だけでも休憩時間を意識的に取る、など、できることから試してみてください。
少しずつ思考の癖や行動を変えていくことで、TODOリストに追われる毎日でも、自分を責めることなく、心穏やかに過ごせる時間が増えていくはずです。あなた自身のペースで、心地よい毎日を創っていきましょう。